タン君と田圃のお馴染みさんたち [物語]
早朝、恩曽川近くの農道を歩いていると必ずと言って良い
程の頻度でこのカワセミに出会う。田圃に居るからタン君と
名付けてやった。兎に角、汚い・・・・・ボロボロの個体だ。で
も律義に（その気は無いだろうが）顔を見せてくれるので此
方もやや愛おしいような気分になってしまう。
「タン君の生きる道」 作：ramblin
「タン君は元々は恩曽川に棲んでおりました。でも気の弱い
タン君は兄弟や親戚のカワセミたちに縄張りを主張し続ける
ことが出来ません。彼らが休憩の時間に細々と魚を狙うので
す。凡そサッパリとした容姿とは言えないものですから勿論、
恋の成就も叶いません。居たたまれない日々が長く続きまし
たが遂にその日、逃げるように川を離れて行きました。お腹も
随分と減りすぎてペチャンコです。放心したように田圃の畦道
に立つ棒杭の上で数時間も佇んでおりました。野良猫が少し
だけタン君に興味を抱いて近付き暫し眺めてから「ナア～ン
ダ」みたいな感じで去って行きました。中学生を載せた油の
切れた自転車がキーキー鳴きながら農道を走り去ると兄弟た
ちの事を少しだけ思い返します。「お前は狩が下手だなあ～ま
た失敗してるし」こんな感じで。空腹よりも失敗のイメージが辛
いです。田圃の汚れた水に目を落としていますと何か蠢くモノ
が有りました。錆色に弱く光っていて・・・それがタン君が初め
ててみたザリガニなのでした。獲物だと言う感覚は無いに等し
いのですが本能的な囁きが「捕れ」と命じますので・・・・体が自
然に反応して何時の間にかザリガニを銜えておりました。今ま
で魚しか食べたことが無かったので初めての食感に途惑いは
有りましたけどお腹の足しにはなりましたし此処での狩りは川
でのそれよりずっと簡単です。この容易さが何より嬉しく思えま
した。タン君は「もう此処に住んでみよう。もう川には帰らない」
と決めました。考えるに田圃は川より獲物は少ないですけどラ
イバルとなる兄弟のカワセミもおりませんし大雨や日照りにより
水量の増減があったりや汚水が流れ込んで水面が濁ったりして
休漁を余儀無くさせられることもも少なくささやかな生活を維持
するのにはほど良い環境と申せましょう。そんな訳でタン君は近
頃の私の早朝散歩の折を暫し楽しませてくれるのでした。」
ただでさえ汚いタン君をカメラの設定を間違えたおかげで尚更・・・
ウ～ン
今日は珍しく小魚か・・・・
タン君去ってツバメ来る（語呂が良いでしょ）
今日はＡＦを使ってみたが歩留まりに
変化は感じられない
ハクセキレイ幼羽
アオサギ成鳥夏羽
程の頻度でこのカワセミに出会う。田圃に居るからタン君と
名付けてやった。兎に角、汚い・・・・・ボロボロの個体だ。で
も律義に（その気は無いだろうが）顔を見せてくれるので此
方もやや愛おしいような気分になってしまう。
「タン君の生きる道」 作：ramblin
「タン君は元々は恩曽川に棲んでおりました。でも気の弱い
タン君は兄弟や親戚のカワセミたちに縄張りを主張し続ける
ことが出来ません。彼らが休憩の時間に細々と魚を狙うので
す。凡そサッパリとした容姿とは言えないものですから勿論、
恋の成就も叶いません。居たたまれない日々が長く続きまし
たが遂にその日、逃げるように川を離れて行きました。お腹も
随分と減りすぎてペチャンコです。放心したように田圃の畦道
に立つ棒杭の上で数時間も佇んでおりました。野良猫が少し
だけタン君に興味を抱いて近付き暫し眺めてから「ナア～ン
ダ」みたいな感じで去って行きました。中学生を載せた油の
切れた自転車がキーキー鳴きながら農道を走り去ると兄弟た
ちの事を少しだけ思い返します。「お前は狩が下手だなあ～ま
た失敗してるし」こんな感じで。空腹よりも失敗のイメージが辛
いです。田圃の汚れた水に目を落としていますと何か蠢くモノ
が有りました。錆色に弱く光っていて・・・それがタン君が初め
ててみたザリガニなのでした。獲物だと言う感覚は無いに等し
いのですが本能的な囁きが「捕れ」と命じますので・・・・体が自
然に反応して何時の間にかザリガニを銜えておりました。今ま
で魚しか食べたことが無かったので初めての食感に途惑いは
有りましたけどお腹の足しにはなりましたし此処での狩りは川
でのそれよりずっと簡単です。この容易さが何より嬉しく思えま
した。タン君は「もう此処に住んでみよう。もう川には帰らない」
と決めました。考えるに田圃は川より獲物は少ないですけどラ
イバルとなる兄弟のカワセミもおりませんし大雨や日照りにより
水量の増減があったりや汚水が流れ込んで水面が濁ったりして
休漁を余儀無くさせられることもも少なくささやかな生活を維持
するのにはほど良い環境と申せましょう。そんな訳でタン君は近
頃の私の早朝散歩の折を暫し楽しませてくれるのでした。」
ただでさえ汚いタン君をカメラの設定を間違えたおかげで尚更・・・
ウ～ン
今日は珍しく小魚か・・・・
タン君去ってツバメ来る（語呂が良いでしょ）
今日はＡＦを使ってみたが歩留まりに
変化は感じられない
ハクセキレイ幼羽
アオサギ成鳥夏羽
2014-07-15 16:37
nice!(12)
コメント(10)
トラックバック(0)
いいですね。私は常々ramblinさんには
「とりのおはなし」を書いて頂きたいなぁと思っていました。
タン君の生きる世界に平穏が続きますように＾＾
by コザクラ (2014-07-15 23:33)
コザクラさん、お粗末そのものですけど
何かを書きたいと欲求は結構何時も沸
々として来ます。
このみすぼらしいカワセミを毎朝見る
度に「ああまた居てくれたな」と安堵する
気持ちが起こります。
by ramblin (2014-07-16 05:39)
鳥の縄張り争いは厳しいですね。
でも、人間側からするとこうした個体を見つけると「ガンバレ」と
ついつい応援したくなります。
モテ雄よりも、モテない雄を応援したくなる・・・
by queso (2014-07-16 08:15)
quesoさん、今日なんと「タン君」の傍らに
別の個体が並んでおりました。相当距離が
有ったので観察が難しかったですけど・・・・
また楽しみが増えましたよ。ハイ。
by ramblin (2014-07-16 13:36)
田園の爽やかな飛翔良いですね。
私はAFだのみばかりです。^^;
by ナビパ (2014-07-16 20:47)
ナビパさんみたいに水面近くのツバメを
しっかり捉えれば良いのですが私には
とても無理です。広い田圃の中に居ると
少しはチャンスが増えるような気がします
。良く分かりませんがＡＦの方が撮り易い
のでしょうか？
by ramblin (2014-07-16 21:45)
ramblinさんお早うございます。
いや~素晴らしいです。
挿絵をつけて童話にしましょう。
「恩曽川のカッパ」より売れると思いますよ。
ではまた。
by はりぃ (2014-07-17 06:04)
はりぃさん、鳥見が思うに任せないので
お粗末な「お話仕立て」にしてしまいまし
た。カワセミの環境適応能力も大したも
のだと思いますね。
by ramblin (2014-07-17 20:34)
胸がキューンとなるお話ですね。
しかし、別個体が一緒にいる目撃談で、ちょっとほっとしました。
ここまでフレンドリーに現れてくれるタン君愛おしいです。
いまだに狙って通ってるフィールドのカワセミからは
一撃で逃げる！って事ばっかりやられてて凹んでます。
by miya_gon (2014-07-19 05:49)
miya_gonさん、私の駄文は兎も角
「タン君」のヨレヨレの姿は仰る通りキュン
するものが有ります。
何回か会っていると顔を覚えてくれて
挨拶に来るかもしれませんよ。それもチョ
ット考え物だけど・・・
by ramblin (2014-07-19 23:21)