間違いに至る病 [野鳥]
この日、県内の遊水池にハジクロ(ハジロクロハラアジサシ)が
来ていると言う事なので行って見た。此の地では個体を見下ろしで
観察出来るので上面の羽衣が見易い。生憎の曇天だが昨今の天気事情では
仕方あるまい。
でもね・・・此れはハジクロでは無い
上面に幼羽の茶褐色斑が虎柄模様に見える幼羽→1回の個体は
クロハラ(クロハラアジサシ)と思って良い(ハジクロは暗色のワントーン気味に見える)
かなりの数を撮ってみたが
総じて上尾筒は尾羽よりやや暗色傾向に有って
腰の色みが尾羽より白いとされるハジクロには合致しない
嘴も短く見えるが
BIRDER誌2014年10月号49ページの写真6の
クロハラ成鳥と幼鳥が隣り合わせている画像のように
幼鳥の嘴は明らかに成鳥よりも短く
ハジクロの特徴とは言えない
ではこの個体を見た多くの方がこの個体をハジクロと思ってしまうのか
その一つの要因は眼の後方に有る黒斑が眼より下に垂れ下がっていると言う
ハジクロの特徴に由来するのだが
此れは嘗て氏原さんがブログ上で指摘された通りクロハラの幼羽や1回にも
当てはまる特徴なので有効な識別点とはなり得ない(古典的な話なのだが)
それよりも皆さんを間違いに誘導してしまう大きな要因が有った
其れはこの個体の出現より10日前位だろうか
成鳥のクロハラが此の地に滞在していたからだろう
体下面の黒斑を残す個体の印象が強く
その後現れた体下面に斑の無いこのクロハラを異種と認識してしまったと思われる
まるで此れはデジャブーのようなのだが
同じような事象が2014年のこの時期にも有って同じような間違いが有ったので
尚更その経験値が誤りの踏襲となってしまったようだ
この事は自戒を込めて言っている訳で
多くの人が述べている事が正しいなんて言えないこともまま有るし
現場に行く前の予習もしっかり行い
信ずるべき土台を保持して出掛けないとイケナイと思った
来ていると言う事なので行って見た。此の地では個体を見下ろしで
観察出来るので上面の羽衣が見易い。生憎の曇天だが昨今の天気事情では
仕方あるまい。
でもね・・・此れはハジクロでは無い
上面に幼羽の茶褐色斑が虎柄模様に見える幼羽→1回の個体は
クロハラ(クロハラアジサシ)と思って良い(ハジクロは暗色のワントーン気味に見える)
かなりの数を撮ってみたが
総じて上尾筒は尾羽よりやや暗色傾向に有って
腰の色みが尾羽より白いとされるハジクロには合致しない
嘴も短く見えるが
BIRDER誌2014年10月号49ページの写真6の
クロハラ成鳥と幼鳥が隣り合わせている画像のように
幼鳥の嘴は明らかに成鳥よりも短く
ハジクロの特徴とは言えない
ではこの個体を見た多くの方がこの個体をハジクロと思ってしまうのか
その一つの要因は眼の後方に有る黒斑が眼より下に垂れ下がっていると言う
ハジクロの特徴に由来するのだが
此れは嘗て氏原さんがブログ上で指摘された通りクロハラの幼羽や1回にも
当てはまる特徴なので有効な識別点とはなり得ない(古典的な話なのだが)
それよりも皆さんを間違いに誘導してしまう大きな要因が有った
其れはこの個体の出現より10日前位だろうか
成鳥のクロハラが此の地に滞在していたからだろう
体下面の黒斑を残す個体の印象が強く
その後現れた体下面に斑の無いこのクロハラを異種と認識してしまったと思われる
まるで此れはデジャブーのようなのだが
同じような事象が2014年のこの時期にも有って同じような間違いが有ったので
尚更その経験値が誤りの踏襲となってしまったようだ
この事は自戒を込めて言っている訳で
多くの人が述べている事が正しいなんて言えないこともまま有るし
現場に行く前の予習もしっかり行い
信ずるべき土台を保持して出掛けないとイケナイと思った
2019-10-22 22:06
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コメント(8)
いつも勉強になっております。鳥の識別は本当に難しいですよね。
渡りの時期は特に見慣れない鳥を見る機会が多いので予習復習が大事だと感じます。
今はスマホでも調べられますがそこにも間違った情報も沢山転がっていますのでより信頼性の高いソースにたどり着くまでにも知識が必要ですしね。
ramblinさんのようになれるように頑張ります。
by Nori (2019-10-23 23:18)
Noriさん、ホント鳥の同定は厄介な事が多いです。
ですが知りたいと言う欲求が深まって行くとその
厄介な事も楽しみに思えるようになるから不思議です。
情報量が膨大な今日、誤った情報もまた多くなります。
それに惑わされること無く正しい結論に辿り着くには
何が必要なのかしっかり考えなくてはならないと
思っています。
日頃よりNoriさんは優れた観察者で有りまた撮影者だと
思っています。Noriさんの勤しむフィールドは比較的限られて
いるにも関わらずその中で希少な種も自力で発見されています。
更に撮影能力も高いので識別的にも参考になるお写真が多い
です。今後も益々その活躍が期待されます。頑張って下さい。
by ramblin (2019-10-24 04:53)
トラ模様のクロハラアジサシ幼鳥ですね。
以前、悩んだ事を思い出しましたよ。
その時 ramblin さんに教えて頂いて解決しました。
ありがとう御座いました。
最近は、沼アジサシ類も、あまり見なくなりました。
毎年、今の時期は見られたのですけど、少し寂しいです。
by takapy77 (2019-10-24 19:23)
takapy77さん、私もtakapy77さんのクロハラアジサシの
記述を読み返しました。私よりずっと簡潔で読み手に優しい
文章が際立っていますね。
関東では今、沼アジサシでは有りませんがオニアジサシや
ハシブトアジサシが来ています。週末の天気はどうなりますか?
by ramblin (2019-10-24 20:43)
一枚目を見て
カモメさん?って思っているようではダメですね(^^;
アジサシにもいろいろな種類があるんですね。
by 美美 (2019-10-25 18:57)
美美さん、そうですかあ~雰囲気的には近いものが
有るかもしれませんね。
アジサシは関東近辺では見られる種類が限られますが
南の方へ行けば色々見られる筈です。
クロハラアジサシはそれほど珍しい種では無いです。
by ramblin (2019-10-25 20:40)
ぱっと見、アジサシ的な感じはしないですね。
でも飛んでいるところを見れば印象は変わるのかも。
今シーズンはジョウビタキでさえまだ見ていません。
天候と同様絶不調.
by まっちゃん (2019-10-28 07:38)
まっちゃんさん、幼羽ということの他に体型的にも
ややポッチャリ気味ですので「らしい」感じが無い
かもしれません。
ジョウビタキは本日やっと自宅で撮ることが
出来ました。
by ramblin (2019-10-28 20:30)